肥満より怖いもの
ここ数年で漢方がより身近になったおかげで、圧倒的に相談数が増えたのが「ダイエット」です。
「漢方薬で痩せる」という神話が世を蔓延っています。
漢方薬で痩せることがないのは皆さんも承知の上だと思います。
しかし、ここで本当に気をつけなければいけないことは、「ダイエットを希望する人」なのかということです。
この記事を少し思い出してください。
hoshinozaregoto.hatenablog.com
食べて太るのは、人間として当たり前です。
ですので、「どうしても食べてしまって・・・」という人は、身体は悪くなってしまっていますが、人としては普通なのですね。
問題は、「食べているのに太らない人」です。
私は「痩せの大食い」を一番マークします。
食べているのに太らないということは、身体に栄養として身についていないのです。
脾の運化の作用が失調しているのですね。
唐突ですが、ガンの方を想像してください。
食べてもどんどん痩せていきますよね?
程度の違いはあれど、体の中は同じなのです。
つまり、放っておくとガンと呼ばれる病気になる可能性があります。
まさか、痩せの大食いを放っておくとガンになると思った人はいないでしょう。
しかし、可能性は十二分にあります。
誤解を避けるため、もちろんならない人もいます。
ですから、私たちには、先日の記事でもお伝えしたように、この「異常」にいち早く気づき、大病を予防することが必要とされるのです。
ダイエットの相談に来られる方は、ほとんどが不内外因です。
ですので、それを改善すれば、適度に痩せられます。
しかし、痩せの大食いの方が相談に来られることはほぼありません。
それが悪いことだとは思ってないからですね。
ですが、脾気虚の方によくよく聞いてみると、「実はよく食べて・・・」とおっしゃる方が結構います。
本当に怖いのは「反」です。
そして一番怖い「反」は、「人として不健康」であるが「健康だと思っていること」です。
ですので、まずこれを改善するように、私たちは働きかける必要があるのです。