その情報は本当に「適格」か?
SNSの流行により、必要な情報が本当に簡単に手に入るようになりました。
東洋医学的にも、薬膳やお灸の情報などが溢れています。
その情報は本当に的確でしょうか?
SNSの世界では、ほとんどがインフルエンサーになりたい人たちです。
自分の持っている知識や技術を他人に広めたい方々です。
それ自体は否定しません。
しかし、東洋医学において、そもそも薬膳は「食医」、灸は現在でも「治療法」であり、医者がやっていた(やっている)ことです。
それだけの勉学に励んでこられましたか?
そして、これもいつも言うことですが、東洋医学は気を変える学問です。
灸は特に直接経絡を利用します。気の通り道ですね。
薬膳に関しても、五味や帰経は気に関連しています。
つまり、これを本当に理解していますか?
経穴や経絡を知っているだけではありません。
気の流れを感じ取ることは最低要件です。
修行を積んだ方であれば、「気の流れが見える」といいます。
それでもまだ十分ではないといいます。
これらのことが分かっていれば、安易に情報を伝えることはできません。
以前もお伝えしましたが、東洋医学はそもそも(古典を読み解いても)わからなければやってはいけないのです。
人を殺すからですね。
ですので、それだけ自分の発言に責任を持たなければなりません。
ですので、自分がお伝えした情報で人が死ぬとは思いにくいです。
しかし、残念ながら、もう何人もこれで身体を悪くしている方々を診てきました。
そしてこういう方々は、そろって健康意識が高いのです。
「〇〇という雑誌(本)には〇〇がよいと書いていたので・・・」「TVで〇〇先生が良いと言っていたので・・・」と。
自分に合わない情報を信じ、実践した結果、自分を傷つけていたのです。
私には悪意のある宗教活動にしか見えません。
当たり前のことですが、絶対に忘れてはいけないことがあります。
東洋医学は「因人」です。
人によって違うのです。
ですから、「(他人と)違ってよい」と言えるのです。
結論を言えば、「情報」も「気」と言えるかもしれません。
ですので、これで人を良くも悪くもできるのです。
私たちにできるのは「良い情報をどこからか探し、伝えること」ではありません。
「自分の気を良いものにする」ことだけです。
相手を変えるのではなく、自分を変えなければいけません。
ですから、東洋医学では、ただひたすらに掘り下げる作業を行うのです。