深く掘り下げるということ~これから東洋医学を学ばれる方へ その2~
皆さんはどの程度、深く掘り下げて考えておられますか?
例えば、薬膳の世界では、「酸甘化陰」という言葉があります。
酸味と甘味を合わせると、陰(潤い)を生み出すという考え方です。
では、なぜ酸味と甘味を組み合わせると、陰を生み出すのでしょうか?
この、「なぜ?」がわかっていない方が多いのです。
もし、仮に、酸甘化陰で陰を生み出すのであれば、お薬で最もシンプルな「芍薬甘草湯(芍薬+甘草)」で補陰が可能だということですよね?
それがわかれば、逆に、陰液は虚しているが、酸甘化陰で補ってはいけない方がわかります。
陰液が虚していれば、なんでも酸甘化陰で補えばいいのかというと、そうではありません。
逆に悪化する方々がいます。
それを知る為には、常に「なぜ?」と掘り下げる必要があるのです。
今の東洋医学、漢方医学では「魔法の言葉」のように普遍的に専門用語が飛び交っています。
これらは専門用語でありますから、専門家、つまり「専らその道に門を構える人」が使用するものであり、素人が少し勉強した程度で理解したと得るものではありません。
自分の言葉が人を殺すかもしれないのです。
いつも言いますが、東洋医学は「因人」です。
人によって違うのです。
ですので、これらを声高に叫ぶことは、とても危険だということをまず肝に銘じてください。
東洋医学の第一歩は、「東洋医学の怖さ」を知ることではないでしょうか。