シンプルに奥深く見ていくということ
先日から四診のお話を中心にさせていただいています。
hoshinozaregoto.hatenablog.com
私は望診と聞診を重視し、また、聞診には臭いも含まれることもお伝えしました。
実はこれをもって、意外な病気が何度も改善した例があります。
臭汗症、いわゆるワキガです。
東洋医学において、汗は非常に重要な視点ですね。
いきなり話がそれますが、汗や尿など、体外に出る液について異常があれば、それを止めるべきなのか、止めてはいけないのかをまず判断します。
実邪を外に出している場合は、自分で自分を瀉しているため止めてはいけません。
虚して漏れ出てる場合は、補って止めなければいけません。
これが基本です。
これを基本として、
・実虚により補瀉を決める
・汗をかく場所により、位置を推測する
・臭いにより、臓病を推測する
・他の四診を組み合わせて判断する
これしかしていません。
とてもシンプルな考え方です。
しかしこれが、「臭汗症(ワキガ)だから」と病名から入ると、わけがわからなくなります。
東洋医学の弁証は「シンプルに奥深く」が基本です。
私の経験では、臭汗症の方は、虚して漏れ出ている方が多いです。
もちろん、実(主に熱実)の方もいらっしゃいます。
ただなぜか、ほとんどが肺虚でした。
肺の五香である「腥」は生臭さですね。
それに加え、顔は異常な白さ(もしくは灰色がかっている)、呼吸をしていないのかと思うほど浅いので、すぐわかります。
黄耆ですぐに改善します。
私たちは「臭い」ということから逃げてはいけません。
「臭い」ということは、相手様のSOSなのですね。
それすら、「なぜこのような臭いなのか」ということを掘り下げていく必要があるのです。