春の養生 その5
季節の養生とは少し話ははずれますが・・・。
「肝」の人が周りの人を元気にする魔法の言葉があります。
それは、「ご自愛ください」。
通常、「お身体を大事になさってください」という意味でつかわれていますが、本来はそのまま「自分を愛してください」という意味です。
「肝」の人は、いうなれば「愛」の人です。
五常では「仁」という言葉で表現される、「自分も、他人も、世界全てを愛せる人」なのです。
そんな方が伝える「ご自愛ください」という言葉に、どれほどの力があるでしょうか。
しかしながら、「肝」が中心であるからこそ、自分の「仁」が見えにくいのです。
自分を愛せず、他人も愛せず、苦しんでいる方々がたくさんいらっしゃいます。
だからまずは、「自分を愛するため」に、他人に「ご自愛ください」と伝えるのです。
言葉は他人に伝えると同時に、自分に返ってきます。
これを「こだま」と言いますね。
「こだま」とは「木霊(コダマ)」、すなわち「木」の精霊です。
肝の方を助けてくださる優しい神様です。
東洋医学では、「神」は「自分の中」にいると考えられています。
貴方が発する言葉は「神」の言葉。
「良神」にも「邪神」にもなるのです。
きれいな言葉を使う必要はありません。
時には怒ってもいいのです。
しかし、言葉は必ず帰ってきます。
それをお忘れなきよう。